« №12 単純で分かり易く・ある相続の教訓 | トップページ | №14 ある相続のお話(その二)判断期間三ヶ月について »

№13 ある相続のお話(その一)

マイベストプロhttp://mbp-tokyo.com/taisei-kikaku/

本件は地方の方から相談を受けた相続問題の進行形の案件です。

被相続人(93才)はワンマンで亡くなる直前まで代表取締役として会社経営に務められ、会社に対し個人所有の不動産を担保提供しかつ当然ながら連帯保証をしていました。また当該会社は昭和10年設立の老舗で、現在損益に於いては黒字でありますがBS上は債務超過という状態です。従ってこの相続財産は保証債務を含めると明らかに相続財産は債務超過なので、相続人は一部の相続人を除き既に相続権放棄の意思を固めています。

しかし相続人の一人である二男(64才)は長く父親(被相続人)と共に当該会社の経営に当り、また被相続人の孫に当たる当相続人の長男(30才)も経営に意欲があります。

単純に考えますと事業のみ残す。会社は新会社を興しそこに企業分割又は営業譲渡で事業を移管するかの判断で、相続は放棄するという図式ではないかと推定いていましたが、仕入先並びに金融機関等の問題で不可能ではないかとも言われます。

またワンマンであられた被相続人のご性格を考えると不明な他の保証もあるかも知れずこれを単に相続することには危険を感じます。また相続権放棄ですと管財人の管理下、不動産は処分され根抵当権者に弁済されるのでそのこと自体は当該会社にとって望ましいことではありますが、不動産を売却し代位弁済された後この債権(求償権)は誰に移るのかという問題もあります。また現不動産相場から判断し抵当不動産が売却されても完済とならない上に、単純相続では譲渡税の問題もあります。更に残債の返済について金融機関の出方も心配です。

また一方法としては限定承認(限定相続)も考えられます。民法923条「限定承認は共同相続人全員が共同してのみこれをすることができる」とされております。相続人の一部が勝手に放棄を選択されてしまった場合限定相続ができないと思っておりましたが、家庭裁判所に伺ったところ、相続権放棄者は相続人ではないと見なし、放棄をしない相続人だけで限定承認を申立てることができるとのことでした。

限定承認(限定相続)は民法922条「相続人は相続で得た財産の限度においてのみ・・・・弁済すべきことを留保して・・・」、つまり相続のプラス財産の範囲内においてのみ被相続人の債務の責任を負い、相続人の財産を持ち出しまで弁済しないという法律です。

しかし限定相続にも問題があります。税法的に相続時点にその時の時価で譲渡があったとして「みなし譲渡」の対象となり譲渡税が発生し、新たに債権者として国税局が加わるという厄介な問題が派生します。

以上の通り、現在はまだ山谷ある状態ですが、ポイントとなる論点はほぼ絞られ整理されたと思っています。法律上の期限3ヶ月の4月26日までに方針を固められるようNPO事業再生支援センター等の専門の弁護士及び税理士の先生方に種々見解を伺い、当該相続人らが正しい判断ができるよう適切な材料を提供するべく努めたいと考えています。

進行状況&結果についてはこれからも引続き(その二)掲載するつもりです。ご覧頂ければ幸いです。

記:大森孝成

|

« №12 単純で分かり易く・ある相続の教訓 | トップページ | №14 ある相続のお話(その二)判断期間三ヶ月について »

「大誠企画★新着情報」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/104625/5808798

この記事へのトラックバック一覧です: №13 ある相続のお話(その一):

« №12 単純で分かり易く・ある相続の教訓 | トップページ | №14 ある相続のお話(その二)判断期間三ヶ月について »