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№24 任意売却事例〔その二〕・瑕疵担保責任

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 H20.1.13

昨年、売主:破産管財人、買主:業者、の間である賃借権付き中古戸建住宅を当社らの仲介で売買を成立させ引渡しました。しかし引渡し後、数ヶ月を経て、想定外の事実が買主さんからもたらされました。

当該物件建物内において心的瑕疵(事件事故、暴力団等々)に当たる事件が過去(10年程前にあったことが発覚したのです。元の所有者(破産申立人)が全くその事実を告知しなかったため、売主側弁護士、当該管財人を含めて仲介業者らの当事者全員がこの事実を知らないまま売却してしまった訳です。

民法566条では「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは①買主は損害賠償を請求することができる。②買主が瑕疵の存在を知らないために契約を行い目的を達成できない場合には、買主は契約の解除を行うことができる。」と規定しています。

買主とすれば、事前に分っていれば瑕疵の分を減額できる筈であったものを、知らされていないために満額?を払ったのですから、その減額できるであろう金額を売主に対し損害賠償請求できますし、また本来の目的が全く達成できないと判断された場合は契約解除も可能なわけです。

しかし当該物件は管財物件であり、かつ売主である管財人は宅建業者ではありませんので、瑕疵につき特約を規定することができ、現に売買契約書には「売主は瑕疵担保責任は一切負わない」という特約が条項にうたわれ、買主に対してはこの旨を事前に説明しているのです。

また、当該売却代金は既に担保抹消と引換えに抵当権者に弁済されています。

一方、仲介業者の責任については、買主と媒介契約を取り交わした買主側宅建業者には、民法656条の準委任契約と解され「善良な管理者の注意義務」、また買主と直接的契約のない売主側宅建業者(当社)には「業者を信頼して取引に至った第三者に対して格別の注意を払い、過誤による不測の損害を生じさせないよう配慮すべき民法上の業務上の注意義務」が課され,その責任が問われます。

しかし売主である管財人にとって、特約付き契約で減額することも元の状態に原状回復するということは到底不可能ですし、買主さんにとっても、これを翻すことは困難ではないかと思われます。

また売主側業者の私自身には業務上の注意義務が課せられていますが、契約前の調査段階で、居住者(賃借人)、賃貸を仲介した地元業者、隣地所有者、更には弁護士さんからも一切そのような事実を聞かされてなかった訳(元所有者は過去を思い出す嫌な出来事を隠蔽したかったため誰にも話さなかった)ですので、およびもしないことでした。しかし私にとってはこの先入観が思わぬ盲点になったのです。

しかし自分を買主の立場に置き換えて考えると釈然とせずに煮えくり返る買主さんのお気持もよく分り本当に申し訳なく思っています。今後どのように推移いたすか事態を見守って行くつもりです。

追申:文書や話で事件事故物件について耳目にすることがありますが、私自身がそのような場面に遭遇するとは思ってもいませんでした。これを教訓に更なる注意義務遂行の重要性を痛感した次第です。

記:大森孝成

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