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№25 任意売却での決済場面について

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H20.2.13

不動産売買契約書面で「売主は抵当権、質権、先取特権、差押等の所有権を阻害する一切の法律上或いは事実上の権利を除去抹消し、何ら制限のない完全なる所有権を引渡さなければならない。」また「代金と引き換えに所有権を引渡す」と定めています。

ところで実際の任意売却の決済場面は、どのような手順で進められるのでしょうか

「代金授受と移転&抹消解除、更に買主が融資を受ける場合は新たな抵当権の設定を含め全てが同時である」ので、買主が指定する決済場所の金融機関において司法書士先生の下、買主・売主・所有権者以外の権利者・場合により新たな融資先金融機関が一同に会し、所有権者は権利書等一式を、所有権者以外の権利者は抹消又は解除の登記書類一式を司法書士に提出し、全登記書類がチェックされたうえで確保され、司法書士先生が「全て整ったので決済して可」との宣言する。そして徐に代金決済並びに予め承諾を得た配分表に従い抵当権者等への弁済が行われます。司法書士はそれを見届けたうえで登記所(法務局)へ走り登記申請を提出するという手法をとります。勿論全登記書類のコピーは事前チェックされていますので、余程の手違いがない限り当日はスムーズにことは運びます。

便法として認知されているこの手法は「司法書士の独立した立場と司法書士に対する信頼」の上で成立しています。

しかし厳密に言えば、任意売却の場合、司法書士が動く登記所までの移動時間に問題があります。

抵当権等に基づく債務残高が当該不動産価値より過少でまだ差押の余地のある場合、また抵当権より優先する債務(例:納期限が抵当権設定日前の租税債務)があるような売主の債務状況の場合は、この移動時間の間に別の差押が先に設定される恐れがあるからです。また租税債務の場合は裁判所の手続抜きで差押ができますので注意を要します。

決済後、司法書士がいざ登記申請しても、この時間差のために登記簿が閉鎖され不受理になる危険性があるのです。このような債務状況の場合には危険を防止するため登記所を決済場所にすることもあります。しかしこのことを買主始め各権利者に理解させ協力を取付ける作業は決して容易ではありません。

先日このようなことがありました。税納期限が抵当権設定日より前の租税債務差押のある物件で、地方の税務署のためか融通が利きませんでした。当該特別徴収部は差押解除の手順につき、納税領収書を税務署に持参確認後、税務署員が登記所に出向き差押解除手続きをとると事務的におっしゃる。

一方、買主の新たな融資先銀行(大手都市銀行の一支店)は決済する当銀行から登記所までの時間差を認めないため、致し方なく私は税務署員および司法書士の各1名を互いの見張り役として配置し、携帯電話でヨーイドン!登記と決済を同時に行う方法論を提案しましたが、これも理論的に秒単位で納税が先ですので融資先銀行が納得しないため、結局他の銀行に換えてもらった事例があるように厳格に考えると同時はなかなか難しことなのです。

経験件数を踏んでいない融通の利かない「分らず屋」担当者に当たりますと、予期せぬことが多々起こり得るので最後まで気が抜けません。

任意売却は、物件の種類規模、権利内容の複雑度、権利者法人の方針と担当者の人間性、債務者の理解力、買主の人柄資質と資力、仲介する買主側の業者の理解度等々により全て対応は異なります。現場はいつも緊張の連続であることを知って下さい。

記:大森孝成

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