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№43 不動産任意売却促進法(案)について

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平成21年6月18日

一部の抵当権者の不同意で売却できないケースに対応するために、「複数の抵当権が設定された不動産の売却を促進させること、担保不動産の売却を円滑化させること」目的とした

不動産任意売却促進法」

をある党が今国会に提出し、早期成立をめざしてくれているそうです。

現行法では、担保付不動産の任意売却は設定されている複数の抵当権者全員の合意が整わないと不可能なのです。仮に一社でも同意が得られないときはいずれ競売に付される結果となります。

どの抵当権者もスタート時は任意売却につき協力姿勢を装っていますが、どの抵当権者も同意の条件となるハンコ代という「抹消料」の額(配当額)の多寡がポイントで、他の抵当権者の出方待ちから始まります。

金融機関は、大手都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・金融公庫・ノンバンク・消費者金融・個人貸金業者・債権譲渡したサービサー(債権回収会社)・代位弁済した保証協会等々・・・色々で、つまり各組織の考え方も様々です。

それなりの規模の金融機関ではハンコ代にある暗黙の相場があり、阿吽の呼吸で了承を得られますが、とても先順位の抵当権者の同意が得られないであろう法外な金額を要求したり、過度な駆け引きをしたり、相手先によっては苦闘することも多々あります。

このような問題を解決してくれる法律のようです。

その仕組みは次の通りです。

①ある売却金に対し一抵当権者が任意売却&抹消に同意した場合、当該抵当権者は他の抵当権全部の抹消を裁判所に請求することができる。

②但しこの金額に不服で請求に反対したい他の抵当権者は、請求後1ヶ月の期間内に競売の申立てをするか又は提示された売却金額の5%を上乗せた金額の売却先を見付けるかのどちらかの行動をしなければならない。

③できなかった場合、しなかった場合は、裁判所が全部の抵当権抹消を認める。

返済金は上位の抵当権者から順に得られるため、下位の抵当権者には配当が回らないのがほとんどのケースですので、言い方を変えれば第一順位の抵当権者の同意さえ取り付けることができれば二番、三番のような後順位が上記②で書いた競売申立て等を期間内に行わない限りは同意無しで抹消できるという制度のようです。

任意売却を手掛けるものとして有り難い制度のようですが、法案が国会を通過した後に実際に使ってみて始めて実感できるものだと思います。

制度ができても実務で使い易いような裁判所の対応が求められます。

但し、政局絡みでモタモタしている今国会で、同法案自体が本当に通過するのかどうがは私の知るところでありません?

                                                                     記:大森孝成

※寄稿後の7月21日記:案の定、解散国会では上程すらされませんでした。しかしこの考え方は抵当権者等に対し大きな影響を与え一つの指針として効果があったと思われます。早い実現を期待してます。

追記H22.5/5現在):政権交代後、本法案はウヤムアとなっていて残念です。任意売却の円滑化を図るため新たな政権においても再検討頂きたいと考えます。

 

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